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2021年06月03日
症状について

思春期に多い「側弯症」とは?


思春期に多い側弯症は背骨が左右に弯曲する病気で、時に背骨全体にねじれが生じることもあります。

側彎症の原因と種類


原因と種類ですが、原因不明の特発性側弯症が多く、全体の6割から7割がこの種類となっています。また先天性の異常による先天性側弯症、神経や筋の異常による症候性側弯症に分けられます。

また、姿勢や足の長さの差を原因とする一時的な機能性を始めとして神経線維腫症によるものや間葉系疾患、外傷性など、その他の原因によるものもあります。

いずれにしても、肩の高さが左右で違ったり、肩甲骨が出っ張り目立つ場合は注意が必要です。
 
腰の高さにも非対称性が見られるようになるので腰を含めて全身を見ながら、疑いや治療の可否を判断することになります。また胸郭にも変形が見られたり肋骨や腰部の隆起を伴うケースもあるため、心肺機能の低下や腰背部の痛みといったリスクが高まります。

側弯症の診断方法


診断方法は前かがみの姿勢を後ろから観察するもので、症候性側弯症には神経学的な検査やMRI検査も有効とされます。短期間で症状が進行するケースにおいては年数回の診察が必要となります。

脊柱全体を立位でレントゲン撮影して写真を見ながら側弯の度合いを角度で示します。またこの時に脊椎骨や肋骨の以上も一緒に調べます。
 

思春期に多い側弯症

この病気は思春期に多いことから学校でも広く認知されているため検診に組み込まれており、早期発見に繋がる環境が整っています。また思春期は脊柱の成長期でもあります。

側弯症の進行が進んでおり、進行が無視できない程度であれば手術も視野に入ります。そうならないためにも、予防や治療においても早期発見が重要になってきます。
 

側弯症の治療法

特発性で比較的症状が軽い場合は、運動療法をしながら経過観察をすることが珍しくありません。とはいえ、進行が見られる時は装具装着も検討して症状進行を食い止める治療が行われます。治療は原因や程度、年齢などの要因で違ってきますので必ず専門家に相談することが大切です。

当院の治療法としては、装具をできるだけ使用せず骨盤や胸椎の矯正をしながら体操やトレーニングなど運動を行っていきます。肩の高さや目立つ肩甲骨が気になり始めたら、当院へお越しください。
 

側彎症は遺伝する?

感染性の病気ではないため発症した子供と兄弟が一緒に過ごしても問題はありませんが、遺伝する可能性は否定できません。明確な遺伝様式は確認されていないものの、多くの疾患に遺伝子異常が関係しているというのは現代医学における共通認識です。

その為今後研究が進めば遺伝子との関係性が見つかったり、治療法の発見に繋がる可能性があります。

側弯症の発症頻度や時期


日本における発症頻度は1~2%程度ですが、その多くは女子に生じる傾向です。

発症時期により名称が異なり、0歳から3歳は乳児期、4歳から10歳は学童期、10歳以降に発症するものを思春期側弯症と呼びます。思春期に発症するケースの8割から9割は原因不明で特発性と呼ばれることが多いです。
 

発症の多くは小学校高学年以降

いわゆる好発時期は小学校の高学年から中学生の間で、必ずしも神経系に異常が認められるとは限らないのが特徴です。女子の患者さんは男子の5倍から7倍とされているので、男子よりも女子の方が明らかに発症リスクが高いといえます。
 

放置せずにきちんと治療しましょう

基本的に一度発症すると自然治癒を望むのは難しく、放置すればやがて進行してもおかしくありません。特発性のうち乳児期に発症するケースに限っては、自然治癒するケースもあると報告されています。
ですが、放置して治るとは考えず早めに専門家に相談することが大切です。

早期発見が大切


原因不明のケースが多いことから予防は難しく、先天性の場合も発症するまで気が付かないことが大半です。

かばんなどの重量物の持ち方が発症リスクに繋がるという見方もありますが、専門家の間では否定的な意見が多くを占めています。かばんの持ち方や姿勢に気をつけても予防や治療になる保証はありません。

またカルシウムなどの特定の栄養の摂取も同様に、直接的な予防や治療効果には期待できないと考えるのが妥当です。

効果的な予防方法は確立されていませんが、早期発見により症状の進行が防げることは少なくありません。普段から骨格を観察したり変化に早く気がつくことが大切です。

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